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膠原病の非ステロイド性抗炎症薬による治療

膠原病におけるNSAIDsの位置づけと使用方法

発熱や関節痛に対する薬剤の中で、まず使われるのが非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal antiinflammatory drugs,NSAIDs)です。

 

解熱鎮痛薬(痛み止め)であり、膠原病では用いられる機会が多い薬です。それは膠原病が発熱や痛みを伴う炎症性疾患であるためと、診断に至るまでにしばしば長い時間を要するためですが、ともすれば診断が確定する以前に安易に用いられる傾向もあります。

 

非常に多くの種類がありますが、膠原病・リウマチ性疾患で用いられる頻度の高い薬剤は比較的限られています。(下表)

 

NSAIDsには発熱を抑え痛みを抑える効果がありますが、病気自体を治す力はないこと、安易に使用すると症状jをマスクして適切な診断が遅れること、副作用が決して少なくないこと、等から膠原病及び膠原病が疑われる症例でのNSAIDsの使用は限定されたものとなります。

 

NSAIDsは膠原病においては、発熱や痛みによる苦痛が強い場合に、@診断確定までの期間、Aステロイド薬や免疫抑制薬の効果が表れるまでの橋渡し、Bステロイド薬の適応とならない疾患・病態での使用、C仕事など活動時の痛みを抑えるための症などに限って使用すべきです。

 

膠原病における、NSAIDsは、補助的な薬であり、漫然と長期間使用すべき薬であり、ステロイドを開始したら原則としてNSAIDsは中止となります。

 

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非ステロイド性抗炎症薬

薬剤の種類

薬剤名
(市販名)

特徴
抗炎症作用の強い薬

ボルタレン
ボルタレンSR
インテバンSP
インダシン
ナイキサン

痛みや炎症を抑える力が強い
プロドラッグ

ロキソニン
クリノリル
インフリー

吸収後に肝臓で代謝されて活性型となる。
胃腸障害が比較的少ない

半減期の長い薬

フルカム
モービック

1日1回の使用ですむ
坐剤

ボルタレン坐剤
インテバン坐剤

肛門から挿入する。作用発現が早い。
COX-2選択制の高い薬剤

セレコックス
ハイペン/オステラク
モービック

胃腸障害が少ない

 

膠原病におけるNSAIDs使用の注意点

NSAIDsの副作用として消化管障害は最も頻度が高く、胃痛、吐き気、胸やけからびらん性胃炎、出血性消化管潰瘍まで様々な症状を呈します。潰瘍はしばしば無痛性のこともあり、自覚症状がないからと言って安心はできません。

 

特に、消化性潰瘍の既往、高齢者、抗凝固薬やステロイドの併用、高用量または複数のNSAIDs使用の場合には危険性が高くなります。胃腸障害のリスクが高い患者における潰瘍予防にはミソプロスト-ル(サイトテック)が有効です。

 

プロトンポンプ阻害薬(タケプロン、オメプラール、パリエットなど)も有効性が証明されていますが、予防投与の保険適応は限られています。

 

近年、COX-2選択的阻害薬という、胃腸障害の副作用が少ないNSAIDsが開発されています。しかし、かかるCOX-2阻害薬の有用性と副作用の根拠は関節リウマチでは確立されていますが、日本では保険適応は関節リウマチと変形関節症に限られることから、膠原病でCOX-2阻害薬を使用する際には慎重にするべきです。

 

ある種類のNSAIDs(イブプロフェン(ブルフェン)、ジクロフェナク(ボルタレン)が多い)によって誘発される無菌性髄膜炎が膠原病患者で報告されており、日本では抗U1RNP抗体陽性の膠原病患者で多い傾向があります。抗U1RNP抗体が陽性となる使用時には種類の選択にも配慮する必要があります。

 

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