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膠原病と結婚・妊娠・出産について

 

結婚について

膠原病も一昔前に比べて一般に認知されるようになりましたし、治療方法の進歩から特別な病気ではなくなりつつあるように思います。従って、結婚・出産も当然のことととらえられる環境ができ喜ばしいことです。

 

一般的にみていて良いご夫婦だなと思う患者さんだものお話を聞きますと、結婚前にパートナ一やそのご家族にしっかりと病気について理解してもらっていることがとても重要です。

 

自分の病気をよく勉強している患者さんの中に、いろいろ知りすぎて結婚や妊娠が怖くなる方がいます。しかし、インターネットなどで得られる情報がそのまま自分に当てはまるとは限りません。

 

自分一人でで悩むことはしないで、とにかく主治医に疑問をぶつけてみましょう。また、今は、セカンドオピニオンも盛んにさけばれています。自分自身が納得いくまで行動しましょう。

 

 

妊娠について

昔は膠原病と聞いただけで妊娠は無理と決めつけられることもあったようですが、多くの知見や経験から健康な女性と同様に普通に出産できるようになりました。

 

しかし、妊娠・出産を甘く見てはいけません。膠原病患者さんでなくても妊娠にはアクシデントがつきものです。健康な女性が急に妊娠高血圧症候群(いわゆる妊娠中毒症)になって、早産になったり出血多量で致命的になることもあります。従って、不測の事態を極力避けるためにも前もって必要な評価をしてもらい、体調を整えた状態で、妊娠に望むことが重要です。

 

 

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膠原病患者さんに妊娠してもらってもよいと考える基準とは

ステロイド維持量で半年以上、活動性が抑えられている膠原病の中でも特に全身性エリテマトーデスは妊娠によって免疫環境が変化し妊娠中、産後に病気が悪化する可能性があります。

 

悪化するかどうかは妊娠してみないとわからない場合もありますが、病気が落ち着いていない状態で妊娠すると悪化しやすいことは明らかですので、この条件は大切です。

 

維持量とはその患者さんの病気を抑えるために必要な最小限の量という意味です。ステロイドの量がどのくらいになれば妊娠可能ですかという質問があります。一律に決められるものではありませんが、体重1 kgあたりプレドニンにして0.3mgぐらいまでが一般的な量だと思われます。

 

また、重大な合併症とは腎不全、肺高血圧症などがないことも重要な基準です。降圧剤でコントロールしきれない高血圧がある場合も難しいです。

 

妊娠転帰が不良となる可能性かおることを患者ならびに家族が理解し受け入れができているかも大切な点です。

 

膠原病では妊娠高血圧症候群や産科的な合併症の頻度が少し高くなること、妊娠中に病気の悪化などにより、お母さんや赤ちゃんに問題が生ずる可能性かおることを患者さんならびに家族が理解できていることが重要です。

 

また、信頼できる産科 医および新生見科医と連携のとれる病院で管理してもらう必要があります。

 

特殊な抗体を持っている場合必要な対応

抗リン脂質抗体

この抗体は流産や死産の原因として有名ですが、妊娠がきっかけでお母さんに血栓症を起こすこともあり、慎重な対応が必要です。

 

抗リン脂質抗体といってもどの測定法で陽性か、どのくらいの値かということが意味を持ちます。ループスアンチコアダラントが陽性の場合は特に注意が必要です。すでに血栓症を起こしたことのある女性の妊娠は大変難しいので、経験のある施設での妊娠・分娩管理が安心です。

 

また、血栓症の既往があってワーファリンを飲んでいる場合には妊娠が判明したらすぐにヘパリンに切り替える必要がありますので、妊娠に早く気づくようにしなければなりません。

 

抗SS-A抗体

この抗体は全身性エリテマトーデスやシェーグレン症候群など膠原病患者さんにみられる抗体です。

 

また、膠原病と診断されていない女性も時々持っている抗体です。これが胎盤を通して赤ちゃんに流れ、皮疹(紅斑)、血小板減少症、肝機能異常、先天性心ブロックを生ずることがあります。

 

これらのいずれかがみられる場合に新生児ループスと診断されますが、その頻度は抗SS-A抗体を持つお母さんから生まれた赤ちゃんの10%前後と言われています。

 

先天性心ブロックを除くと一時的なものですので安心していただいて良いのですが、先天性心ブロックの場合は自然に改善することがなく、多くの場合ペースメーカーの植え込みが必要となります。

 

抗SS-A抗体陽性の方の赤ちゃんに先天性心ブロックが発症卞る確率は1〜2%前後と低いものの、一度発症したら重症です。何とか予防できないものかとみんなで考えているのですが、まだ良い予防法は確立されていません。

 

妊娠18週から26週くらいまでに発症すると思われますので、おなかの中の赤ちゃんの心エコーに熟達した医師による精密な観察を行う二とが今できるベストな対策と考えます。

 

 

妊娠中・授乳中のお薬の使い方

妊娠中に限らず、薬には良い面と悪い面がありますので慎重な使い方をすべきなのは当然です。

 

しかしただ怖がっているだけでは病気の管理と妊娠を両立させることはできません。時々、妊娠がわかったとたんに、自己判断で薬をやめてしまって病気を悪化させてしまう方がいます。

 

お母さんの身体あっての赤ちゃんですから、こんなことは決してやめましょう。妊娠中に使用したらどの程度赤ちゃんに影響するのか、使用しなかったら膠原病にどのような影響があるのかについて主治医とよく相談し、納得した上で妊娠に臨みましょう。

 

 

薬や放射線被ばくなどに関係なく流産は15%、先天け異常の発生は3%前後みられます。逆に先天性異常を持つ赤ちゃんの中でお母さんの使用したお薬が原因なのは1%しかないと言われています、すなわち、妊娠初期の治療薬使用=先天異常という考えは捨てましょう。

 

 

膠原病でよく使われるステロイド剤ですが、形態的先天異常(奇形)の原因物質とによ考えられていません。ただし口唇口蓋裂という先天異常に注目した揚合にその率が数倍になるという研究がいくつか報告されています。

 

もし、これが本当だとしても口唇口盖裂の発症率は700人につき1人といわれておりますので、これが700人につき3人ぐらいになるということですし、最近は手術できれいに治せるようになりましたので気にすることはないと思います。

 

先ほど言いましたように妊娠初期に加薬を飲まなくても100人のお母さんから2〜3人程度先天異常の赤ちゃんは産まれるのが自然の摂理です

 

 

免疫抑制剤のうち、アザチオプリン、シクロスポリン、タクロリムスはお薬の説明書(専門的には添付文書と言います)に妊娠中は使うなと書いてありますが、臓器移植患者さんでの経験や研究データから奇形の原因にはならないのではないかと考えられています。

 

従って、病気のコントロールに必要であれば使用も考慮できるお薬と考えられます。ただし「お薬は添付文書通り使う」という方針の医師も多いので、この考え方がそのまま通用するとは思わないでください。

 

 

授乳申の薬剤使用については、薬の添付文書には「乳汁中に薬剤が検出されるので加薬を使う場合には母乳をあげないでください」というような説明がされています。

 

ほとんどのお薬は乳汁中に検出されますが、その量は微々たるものです。母乳は栄養面以外にもたくさんのメリットかおありますから、なるべくなら母乳をあげていただきたいのですが、母乳が出ない方、体調が悪くてあげられない方もいらっしゃいますので無理しないでください。

 

また、ミルクも飲める赤ちゃんになってもらうと、外来受診日などに預かってもらう際に楽です。

 

 

妊娠と薬情報センターとは2005年に厚生労働省により設置された施設です。ここでは、妊娠中のお薬の安全性に関する情報を相談者(妊娠中ないしは妊娠を希望する女性)に提供するとともに、相談者から妊娠結果を教えてもらいデータとして貯めていっています。

 

貯まったデータを使って「ある薬剤を妊娠初期に飲んだお母さんから生まれた赤ちゃんにみられた異常が普通より多いかどうか」という解析を行って、今後そのお薬を使う女性の参考にしてもらうことも重要な役割です。

 

利用方法は「妊娠と薬情報センター」のホームページをご覧ください。また、このホームページには授乳と治療薬に関しても、基本的な考え方、授乳可能ないしは禁止薬剤の一覧表を掲載していますのでご利用ください。

 

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