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シェーグレン症候群とはどのような病気なのか

 

 

 

シェーグレン症候群の特徴

シェーグレン症候群は中年女性に多く発症する涙腺、唾液腺をターゲットとする臓器特異的な自己免疫疾患ですが、全身のいろいろな臓器にも病変を発症しうる全身性の自己免疫疾患でもあります。最近は、シェーグレン症候群は本来全身性疾患で涙腺や唾液腺の障害はその部分病変と考える専門家が多くなってきています。

 

 

関節リウマチなどの膠原病に合併するものを続発性シェーグレン症候群とし、膠原病の合併のないものを原発性シェーグレン症候群に分類します。

 

原発性シェーグレン症候群も2つに分けられます。1つは腺性シェーグレン症候群で約半数の患者さんに見られ、患者さんの症状は目と口の乾きだけです。2つ目は腺外性シェーグレン症候群と呼ばれ、目と囗の乾きの他にいろいろな全身の臓器に病変が見られる患者さんで、残りの半数をしめます。

 

 

患者さんは中年女性が多く、男性:女性の比は1対14と女性に多い病気です。慢性の自己免疫性炎症により、涙腺と唾液腺が障害され、目の乾き(ドライアイ)、口の渇き(ドライマウス)が90%の患者さんに見られますが、それだけでなく、約半数の患者さんに皮膚、関節、甲状腺、肺、肝臓、腎臓、神経、血液などの臓器に何らかの病変や検査値の異常を伴います。

 

 

病気の正確な原因はまだ確定されていませんが、免疫の調節異常が生じ、涙腺や唾液腺などの自分の細胞に対して自分のリンパ球が間違って攻撃をけじめ、長年にわたって続くことで病気が長く続いたり悪化したりします。この反応がいろいろな臓器にも広がり、自己抗体も産生されます。

 

 

病気は長年続きますが、10年以上経っても約半数の患者さんは症状に変化がありません。残りの半数の患者さんでは何らかの新しい病変や検査値の異常が出てきます。10〜20年でシェーグレン症候群のために兪をおとすことは殆どありませんが、慢性の疾患ですので病気を正しく理解して病気と共存して前向きに生活する心構えが大切です。

 

近年の患者数は増加していますが、これはシェーグレン症候群の認知度が、医師、患者の間で高まってきたことによると考えられます。 2002年厚労省の発表で78,000人と報告されましたが、実際はもっと多く患者数は30万人以上と推測してもよいと考えられます。

 

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シェーグレン症候群の症状

シェーグレン症候群が疑われる症状や検査は下記の通りです。

  • 乾燥症状がある(ドライアイ、ドライマウス、鼻の乾燥、性交痛)
  • 虫歯がある。
  • 耳下腺がよく痛んだり、腫れたりする。
  • 膠原病に似た症状がある(関節痛、レイノー現象、皮膚の発疹、日光過敏症)
  • 全身症状がある(いろいろな臓器に病変がある、疲れやすい、頭痛、集中力の低下、気分がよく変わる等)。
  • 検査値異常がある(抗核抗体、リウマトイド因子、抗SS-A抗体、抗SS-B抗体が陽性)。

 

腺性シェーグレン症候群の症状は下記の通りです(自覚症状の無い人も10〜30%にあります)。

  • ドライアイ
  • ドライマウス、口角炎
  • 鼻乾燥、鼻出血
  • くり返す耳下腺の痛みと腫れ

 

腺外性シェーグレン症候群の症状は下記の通りです。

  • 関節痛・関節炎。約半数の患者さんに見られます。
  • レイノー現象・寒冷時々感情の強い刺激で手指が蒼白になり、次いで紫色になってピリピリする神経症状を起こしますが、暖めると回復します。
  • 薬疹:薬剤アレルギーや薬による皮疹は高率に見られます。
  • 皮膚の異常:乾燥皮膚、しもやけ様皮疹、環状紅斑など。
  • 慢性甲状腺炎・25〜40%の患者さんに見られます。
  • 呼吸器病変:気道乾燥によるカラ咳、間質性肺炎など
  • 腎病変・問診腟腎炎、腎尿細管性アシドーシス
  • 消化器系病変:萎縮性胃炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変
  • 神経障害。三叉神経、眼神経、下肢神経の障害、中枢神経病変
  • 筋炎(CPK高値などの検査や脱力で見つかります)。
  • 血液異常:貧血、白血球減少症、血小板減少症、再生不良性貧血など。
  • 血管炎:再発性蕁麻疹、多発歐単神経炎、高ガンマグロブリン血症性紫斑病など。
  • 悪性リンパ腫、MALTリンパ腫(欧米では約5%、日本人では1%程度とされます)。

 

 

病気の活動性が高い状態での症状は下記の通りです。シェーグレン症候群はあまり進行しない疾患ですが、時に活動性の高い状態が見られ、大量の副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制剤の投与が必要となります。

  • 腺病変。耳下腺が繰り返し腫れる、ドライアイが急速に進行する。
  • 全身性病変:発熱、多発関節炎、皮疹(下肢の小出血斑(図7)、蕁麻疹様皮疹)、間質性肺炎、間質性腎炎、血管炎(高カンマグロブリン血症性紫斑病、皮膚潰瘍、多発単神経炎)、中枢性神経病変、リンパ腺の腫れ。
  • 検査値: lgG高値、リウマトイド因子高値、抗SS-A抗体や抗SS-B抗体の高値、補体(C3, C4, CH50)の低値、M蛋白血症の存在。
  • 唾液腺生検:炎症がひどい時(フォーカススコアが高値、リンパ上皮性病変やリンパ濾胞が見られる)。

 

 

シェーグレン症候群の検査と診断

ドライアイの検査法

  • シルマーテスト:長方形の濾紙を結膜に挟んで涙でぬれた長さを計る。
  • 涙液騾破壊時間(BUT):涙膜の破壊を細隙灯顕微鏡で観察する。
  • ローズベンガル染色テスト:赤い色素で結膜が染まった状態を観察する。
  • リサミンダリーン染色テスト:緑色の色素で結膜が染まった状態を観察する。
  • 蛍光色素染色テスト:蛍光色素で角膜が染まった状態を観察する。

 

ドライマウスの検査法

  • ガムテスト:無味のガムを10分間噛んで出る唾液量を測る。
  • サクソンテスト:がーゼを2分間噛んでその重さを測る。
  • 唾液腺造影:頬粘膜のステノ氏管の開口部から造影剤を注入して撮影する。
  • MRIシアログラフィー:造影剤なしでMRI画像をとる。
  • 経時的唾液腺シンチグラフィー:放射性同位元素を静脈内に注射して画像を撮影する。
  • 口唇小唾液腺生検:下唇を約1.5cm切開し小唾液腺を数個採取して顕微鏡検査を行う。

 

職場の定期検査で「膠原病の疑いがあるから専門医に診てもらうように」といわれる方があります。それらは以下のものがあり、専門医による診断が必要となります。

  • ZTT高値:シェーグレン症候群で免疫グロブリンが高い場合に相当します。
  • 高ガンマグロブリン血症:免疫グロブリン値が高い場合に相当します。
  • 自己抗体:抗核抗体、リウマトイド因子、抗SS-A抗体、SS-B抗体が陽性。

シェーグレン症候群の確定診断は改定診断基準に照らし合わせて決まります。しかし、5〜10%くらいの患者さんでは診断基準に合致しないことかおり、そのような場合は主治医がよく検討してシェーグレン症候群と診断することもあります。

 

 

シェーグレン症候群の治療

ドライアイ、ドライマウスは重篤になると著しく生活の質(QOL)を障害するので毎日の点眼、口腔清潔が大切です。目に対してエアコン、飛行機の中、風の強い所、タバコの煙などに注意がいります。

 

口内の痛み、乾燥による咀しゃく困難と嚥下困難に対しては、食物をやわらかくする、刺激のあるものを避ける、乾燥したものは液体に浸して食べる、温度を食べやすい温かさにすることです。

 

歯の健康に対してはバラエティーに富んだ食物群をとる、糖分を避ける、甘い間食をとらない(ガムはキシリトールガムにする)、味覚の変化に対しては食物の水分、温度、食物の組み合わせを工夫などです。

 

皮膚に対して、石鹸の使用、頻繁に風呂に入ること、特に熱い湯は良くありません。膣乾燥については、エストロジェンの内服や、エストロジェン入りクリームなどを使用することが必要となります。エストロジェンの内服では生理出血がある場合もあること、長期投与の場合は副作用に注意する必要があり、プロゲステロン製剤を追加することなどが必要となるので婦人科にかかるべきです。

 

 

シェーグレン症候群の活動性が高い状態や全身性の臓器病変のある時には、大量の副腎皮質ステロイド薬(プレドニゾロン)や免疫抑制薬(エンドキサン、イムラン、メトトレキサート、ネオーラルなど)の投与が必要となります。

 

 

シェーグレン症候群の日常生活の注意点

患者さんの多くは働き盛りの女性で、病を持ちながらも家庭では、妻、母、主婦として、社会では、会社、学校、地域で活躍しているので、健康な人達とどう関わっていくかが問題となります。

 

患者さんには疲れ、頭痛、集中力の低下、気分がよく変わる、うつ症状などが付きまといます。したがってストレスを取り除き、これらの症状を軽くして、QOLを高めることが大切な課題となります。

 

残念ながら現在病気を根治させる方法はありませんが、症状を取り除く治療法はいくつもあることを理解すること、長期にわたる病気なので患者さんと医師がよいコミューニケーションを保つよう両者の努力が必要です。

 

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