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関節リウマチとはどのような病気なのか

 

 

 

関節リウマチの特徴

関節リウマチは、世界中のどこの国の方でもおよそ150人に1人がかかる病気です。原因は不明ですが、遺伝の影響が約3割、残りは喫煙などの生活習慣や感染症など、遺伝以外の影響と言われています。

 

しかし、原因となる遺伝子も遺伝以外の原因も、患者さんによって様々な組み合わせであると考えられ、そのため同じ関節リウマチという病気であっても、病気のタイプや進行の仕方が人それぞれです。従って、関節リウマチという病気の診断は必ずしも簡単ではなく、しかも治療法や治療の効き具合も患者さん毎に違っています。

 

 

原因不明といっても、免疫の異常が関与していることは間違いなさそうです。免疫とは、例えていうと武器を持ち私たちの安全を守ることを仕事とする自衛隊や警察組織に相当しますが、それらが無差別テロ攻撃でも開始したら大変なことになります。こうした非常事態が体の中で起こってしまったものが膠原病です。

 

 

関節リウマチは日本でもおよそ70万人と、膠原病の中で患者さんの数が最も多い病気です。

 

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関節リウマチの診断

関節リウマチの診断は、まず、腫れている関節があるかどうかが出発点になります。関節が全く腫れていない方は、たとえ関節に痛みや違和感、こわばりなどを感じていても、関節リウマチには該当しません。

 

言い換えれば、関節リウマチという病気の特徴は、関節の腫れが長く続き(目安として6週以上)、その結果として関節が少しずつ壊れていき、徐々に関節としての働きが悪くなってしまうことにあるのです。

 

この関節の腫れこそが、関節に炎症が起こっていることの確かな証拠であり、治療すべきものなのです。その意味で診察の補助として関節のMRIや超音波などの高感度画像検査が用いられることもあります。

 

しかし、関節が腫れる病気は他にもたくさんあります。例えば全身性エリテマトーデスなど関節リウマチ以外の膠原病です。これらの病気でも関節リウマチと見た目では区別がつきにくい関節の腫れを起こしてきます。また、膠原病以外でも、関節が腫れる病気は痛風、偽痛風、乾癬性関節炎、反応性関節炎など数多くあります。

 

 

そこで、関節の腫れを引き起こしている病気が、関節リウマチか、それともそれ以外の病気なのかを区別するために、全身を診察すること、そして血液や尿、それから関節のレントゲン検査を行うことが必要です。

 

診察で重要なのは、まず、どの関節が腫れているのかを見極めることです。関節リウマチでは通常、手首、手指の付け根や第2関節、足首、足趾の付け根の関節に炎症が起こり易く、逆に言えば、これらの関節が一切腫れていない関節リウマチは珍しいのです。

 

このように関節リウマチの特徴に合った関節の腫れがあるかどうかが診断で最も重視されます。そして関節リウマチを特徴づける関節以外の症状、例えば肘頭よりすこし前腕方向の、机などと接触の多い部位の皮下結節(リウマトイド結節)があるか、逆に他の膠原病を特徴づける皮膚症状がないか、などを診ていきます。

 

 

血液検査の中では、自分の体の成分に対して作られてしまった病的な抗体である「自己抗体」が一番大切な検査です。その中でも、俗に「リウマチ反応」とよばれるリウマトイド因子や、最近調べられるようになった抗CCP抗体というものが、非常に参考になります。

 

注意しなければいけないのは、こうした抗体が血液検査で見つかることや見つからないことが、必ずしも関節リウマチである、または関節リウマチでないということと単純には結びつかないことです。

 

つまり、こうした抗体が出ない関節リウマチ、逆に抗体があっても全く健康であったり関節リウマチ以外の病気であったりするなどという食い違いが、10〜40%の人に起こるのです。リウマチ専門医はこのことを熟知しています。

 

 

体内の炎症を表すタンパク質CRPの値や赤沈(ESR)の値も参考になります。関節のレントゲン写真は病気が始まったばかりなら骨の部分は正常のはずですが、患者さんがあまり関節の症状を気にしていなかった場合には、知らないうちに病気が進行していて、関節リウマチの診断につながる「骨びらん」という骨の「虫歯」に該当する変化が、特に足のレントゲン写真で手よりも先に見られるかもしれません。

 

 

このように多くの情報を総合的に勘案して、他の病気ではないことも確認できたら、関節リウマチという診断になります。

 

関節リウマチの症状は人それぞれですが、手首、指の付け根や指の第2関節、足首、足の指の付け根、そして膝と肘のうちの、いずれかの関節が腫れる方がほとんどです。

 

また、関節以外にもしばしば炎症がおこり、肺や血管が少しずつ傷害されていくことにより、これらを放置してしまうと、寿命が平均で10年ほど短くなってしまいます。

 

そして関節が徐々に壊れて、関節の働きが悪くなり、自由な活動ができなくなり、10年後には半分の方が体の動きに大きな障害を抱えてしまう難病でした。逆に自然に軽快してしまう方もいますが、10〜20%に過ぎません。

 

この関節リウマチが「難病だった」という過去形になったのは、まだ10年ほど前のことです。従って、10年以上前なら医師が患者さんにできることは限られていましたが、今では患者さんの自然経過を大きく変えることもできるようになりました。

 

きちんと治療して、「寛解」という関節の腫れがなく、炎症反応が正常な状態にすることで、患者さんの10年後、20年後の生活を全く不自由のないものにして、さらに天寿をまっとうすることも不可能ではなくなった訳です。つまり、治療を受けているということを除けば、関節リウマチという病気にかかっていることが人生にほとんど影響しないようになりつつあります。

 

 

関節リウマチの薬物治療

関節リウマチと診断したら、その治療の中心となるのは、メトトレキサートという薬です。商品名としてはリウマトレックス、メトレードなどもあります。専門医の間では少なくとも70%以上の患者さんに使用している薬です。

 

欧米の先進国では、関節リウマチと診断したら直ちにメトトレキサートを週10〜15mgという量で開始します。しかし、2011年2月下旬まで、日本ではこの薬の「但し書き」である添付文書に、他の薬が効かなかった場合に週6mgで開始して、週8mgまでで使用するようにと書かれていました。

 

この但し書きが必ずしも最新の医学事情に適っている訳ではありませんが、そのために最初はブシラミン(商品名:リマチルなど)、あるいはサラゾスルファピジジン(商品名:アザルフイジンなどの飲み薬)などがまず開始されて、2〜3カ月様子を見て関節の腫れが消えないようなら、そこでメトトレキサートが開始される場合も多かったようです。

 

 

また、メトトレキサートは日本ではやはり週6mgで開始して1カ月後に週8mgに増量するのが一般的だと思いますが、その量では効果が不十分で、週10〜16mgくらいまで量を徐々に増やすことで十分な効き目が現れることもしばしばあります。

 

2011年2月23日に、日本でも関節リウマチと診断後直ちにメトトレキサートを開始すること、効果不十分なら週16mgまで漸増することの2点が新たに承認され、添付文書も改訂されました。

 

ただし、年齢の高い方、腎臓の働きが悪い方、もともとレントゲン検査で肺に影がある方などは、そうでない方に比べればメトトレキサートの副作用が少し出やすいので、メトトレキサートの処方自体を控えたり、より少なめの量で使ったりします。

 

ここまでの治療で、半数近くの患者さんが、目標である関節の腫れをほとんどゼロにすることに成功するでしょう。しかし残りの方々はまだまだ関節が腫れていて辛い、あるいはこれが大切なことですが、痛みがそれほど強くないために本人は5年後、10年後も今のままでいられるだろうと思っていても、実際には5年後、10年後には関節の働きが低下したり失われたりする可能性の高い状態、そんな状態が続きます。

 

 

この方々の救世主となったのが生物学的製剤による抗サイトカイン療法です。たとえば、2003年にインフリキシマブ(商品名レミケード)、2005年にエタネルセプト(商品名エンブレル)、そして2008年にはアダリムマブ(商品名ヒュミラ)が日本でも処方できるようになりました。

 

これらは全て関節に炎症を起こしているTNFという主犯格の物質の働きをほぼ完全に止めるために開発された薬です。レミケードは腕の静脈に点滴、エンブレルとヒュミラは皮膚に注射をします。

 

これらの薬をメトトレキサートと一緒に使うと、さらに20〜30%の方がすっかり良くなります。しかも、まさにこの方達こそが、今までなら関節が動かなくなるために外での仕事や家のこと、さらには身の回りのこともできなくなっていた比較的重症の患者さんだったので、社会に大きなインパクトを与え、関節リウマチの治療に変革が起こったと実感されるようになったのです。

 

これでようやく関節リウマチ患者さん全体の70〜80%をカバーできるようになりました。

 

関節リウマチの治療薬は、他にもいくつかあります。例えば、タクロリムス(商品ネグログラフ)という飲み薬で、免疫の働きのうち、特にT細胞を抑えるもの、トシリズマブ (商品名アクテムラ)というインターロイキン6という炎症物質を押さえ込む点滴の生物学的製剤など、日本で開発された優れた薬もあります。

 

これまでに述べた治療でうまくいかなくても、これらの薬剤でよくなる患者さんが少なからずいます。さらに2010年7月、CD28という蛋白分子を介ずるT細胞というリンパ球の活性化シグナルを阻害する、アバタセプトという新しい点滴の生物学的製剤が日本でも承認されました。

 

どれも値段は安くありませんが、これだけ優れた薬が次々に登場してくると、どれも効かない患者さんをみつけることがかえって難しいだろうと思われるほどです。

 

 

生物学的製剤は劇的な効果に比べれば副作用は従来の薬と比べて遜色ありません。生物学的製剤という名前の通り、私たちの体の中に元々あるクンパク質を上手に利用しているからです。

 

その意味では、体に対する余計な負担とはなりにくく、体に対する働き方がはっきりしているために、効果や副作用も予想しやすい、つまり専門医にとっては使いやすい薬といえます。

 

ただし細菌などに対する抵抗力が一部低下しますので、感染症に対する注意はある程度必要です。こうした薬を始める前には、病原菌などが体の中に潜んでいないか事前の確認を必ず行います。その中には結核に対するツベルクリン反応や、B型・C型などの肝炎ウイルスに関する血液検査、そして胸のレントゲン写真などが含まれます。

 

 

生物学的製剤を含めた抗リウマチ薬による治療が、関節リウマチ治療の根幹となりますが、補助的な薬物療法、リハビリテーション、手術療法があり、これら全てにわたって最も大切なのが患者さん自身の病気に対する理解と取り組み方です。

 

補助的な薬物療法として、関節の疼痛がなくなるまでの間は非ステロイド抗炎症薬が一般に処方されています。全身あちこちが痛む場合は飲み薬が適切ですが、胃腸障害などもしばしば見られますので、疼痛関節が限られていれば貼り薬や塗り薬でよいでしょう。

 

効き目の早い坐薬も適宜使用できます。関節が変形などの大きな不可逆的障害を生じている場合は、関節の炎症が全く無くても疼痛が持続することが多く、この場合は年余にわたって鎮痛薬を用いることもやむを得ません。

 

副腎皮質ステロイドは関節注射あるいは飲み薬として用いられますが、自覚症状の大きな改善に比較して、長い目でみた関節の働きを守る力は不十分です。副作用とのバランスを勘案すると、他の多くの膠原病とは異なり関節リウマチの治療においては、やむを得ない場合に、あくまで最低量を最低期間のみ使用することが原則です。毎日の飲み薬として開始すると中止が難しいこともよく知られています。

 

 

リハビリテーションは関節や周囲の筋肉の動きを保つのに重要です。変形を防止するのにも役立ちます。その時々の状態にあわせて行うことが何より大切ですので、専門家のアドバイスをこまめに受けて、計画を見直しして下さい。

 

変形や日常生活での疼痛が生じている場合には、装具を用いることも役立ちます。自分で装着出来て、長時間つけていても苦にならないことがポイントです。

 

手術は疼痛の軽減、変形の矯正、関節機能の回復などの目的で行われます。タイミングが最も重要で、病気の勢いが落ち着いていて、しかも時期が早すぎず遅すぎないことです。

 

滑膜切除という薬物療法の補助として用いられるものから、人工関節置換術のように薬物療法で限界となった疼痛除去と機能回復を目指すもの、関節切除形成術のように変形を矯正して外見を整えるばかりでなく、変形に伴う痛みや皮膚障害を改善するものなど、様々です。そのためにも、1年に1度くらい関節のX線をチェックする必要があります。

 

 

 

関節リウマチの治療目標

関節リウマチの治療目標は、診断された時の進行状況、患者さんの他の要因(年齢や合併症など)によって異なりますが、10年、20年、あるいは50年経っても今と比べて生活に支障が全く、あるいは少しだけしか、加かっていないことです。

 

このように将来が予測される状態を「寛解」あるいは「活動性が低い」と呼びます。あらゆる薬物治療のなかで、寛解に到達する可能性が最も高い(早期なら50%)のはメトトレキサートと生物学的製剤の併用です。

 

それなら、その最も優れた治療を最初からやればいいじゃないかと思われるでしょう。まさにそれこそが、現在世界中で検討されていることなのです。生物学的製剤の最大の欠点は値段が高いことです。

 

3割の自己負担ですと、1カ月でおよそ4万円、年間で50万円弱かかります。このような高額な薬を一度始めたら一生使い続けるのだとしたら、多くの患者さんが躊躇するでしょうし、できることなら少しでも先送りしたいな、と思うでしょう。

 

 

しかし、関節リウマチは早く治した方が後遺症を残さずに済みますし、最新の考え方は生物学的製剤を早く開始して、よくなったら終了するという方向にどんどん向かっています。

 

つまり、関節リウマチの治療には期限目標があり、きれいに治すためには重いリウマチの方なら半年以内、中くらいの方でも2年以内に関節の腫れをなくすことが必要です。そのような、いつまでに「寛解」に到達させるかというはっきりとした目標を持ち、最初の治療計画を立てることが、とても大切です。

 

 

計画に従って治療を進める場合に、関節の炎症の状態と合併症、すなわち他の病気や副作用を定期的にチェックすることが必要です。

 

病気の様子や治療内容によって違いますが、最初は1カ月毎に外来を受診し、関節を中心とした診察と血液検査を受けます。時々は尿の検査や、レントゲンの検査も必要になります。安定すれば、2カ月、3カ月と間隔を空けることができます。

 

 

関節リウマチの日常生活の注意点

現在では、関節リウマチという診断が下されることは、昔のように、将来、体に大きな障害を抱えてしまうことを宣告されることには全くなりません。

 

むしろ、合併症とよばれる他の病気がなく、初期の段階から十分な治療が受けられるのであれば、関節リウマチという病気にかかる前の自分の体の状態を取り戻すことが十分可能なのだということを、全ての医療従事者、ならびに患者さん、そしてそのご家族の方々が理解することが大切です。

 

病気を過剰に捉えること無く、否定するでもなく、等身大で捉えることです。誤った情報も氾濫していますので、主治医など信頼出来る情報源の確保とそこでの確認も、我が身を守るためにとても大切なことです。

 

 

日常常生活では十分な睡眠の確保、清潔、禁煙、バランスの取れた食事、翌日に体調が悪化しない範囲内でのリハビリを含めた活動を心がけ、精神的ストレスをためないように周囲の協力も得て工夫してみて下さい。

 

気心の知れた友人や家族との温泉旅行もよいです。妊娠を希望する時は予め主治医と相談しましょう。定期的な通院による検査も含めたチェックと服薬が大切で、症状に合わせた白己調節をして良い薬は痛み止めなどに限られることを理解して、主治医の指示に従いましょう。

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