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結節性多発動脈炎とはどのような病気なのか

 

 

結節性多発動脈炎の特徴

結節性多発動脈炎は血管炎の一つです。血管炎とは血管の壁の炎症をきたす病気です。この中には血管炎そのものを起こす病気(原発性血管炎)と、他の疾患に血管炎を伴う病気(続発性血管炎)が含まれま卞。

 

原発性血管炎は炎症を起こした血管の大きさに基づいて、大型血管炎、中型血管炎、小型血管炎に分類されます。結節性多発動脈炎は中型血管炎に属し、中〜小型の動脈の壁に「壊死(えし)」を起こします。
結節性多発動脈炎によく似た症状を起こす血管炎として、小型血管炎に属する「顕微鏡的多発血管炎」があります。これまで結節性多発動脈炎と顕微鏡的多発血管炎は、日本では「結節性多発動脈炎(結節性動脈周囲炎)」として一括して厚生労働省特定疾患に認定されてきました。

 

 

結節性多発動脈炎の発病には体質(遺伝素因)と環境要因が関係すると言われていますが、詳細は不明です。環境要因の一つとしてウイルス感染や薬物アレルギーなどが知られています。

 

関連するウイルスとしてB型肝炎ウイルスが知られています。体質と環境要因の相互作用の結果、体調の変化を起こし発病に至ると考えられます。体調の変化の1つとして自己免疫現象も考えられていますが、自己免疫の標的となる自己抗原(原因自己抗原)は現時点では下明です。

 

発病の過程で免疫複合体などが出現し、種々のアレルギーを介して血管壁の炎症が起きます。炎症の進み具合により4つの病期(変性期、急性炎症期、肉芽期、瘢痕期)に分類されます。

 

変性期には血管の中膜の筋層の浮腫や変性、急性炎症期にはフィブリン滲出や好中球の浸潤、肉芽期には肉芽組織の新生と内膜増殖による血管内腔の狭窄化、そして瘢痕期には線維化した組織による血管内腔の狭窄および動脈瘤形成が見られます。

 

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結節性多発動脈炎の症状

発熱・体重減少などの全身症状に加え、一見脈絡のない多彩な臓器の症状がみられることが結節注多発動脈炎の特徴です。

 

全身症状として発熱や体重減少がみられます。発熱は38〜39度の高熱になることがしばしばです。その他、脱力感、全身倦怠感などの漠然とした症状を訴えます。このような全身症状は結節性多発動脈炎の70%で認められます。

 

腎障害は50%に見られます。中型以上の血管(腎動脈〜葉間動脈〜弓状動脈)が障害されるため、急激に進行する高血圧と腎機能障害を呈します。血管炎が激しい時は多発性の腎梗塞を生じ、小動脈瘤が破裂すると末梢の血腫をきたします。

 

 

消化管への侵襲は40%で見られます。全消化管のうち小腸が最も障害を受けやすい部位です。腸間膜動脈の血管炎をきたすと、初期症状として腹痛がみられ、特に食後に増強します。腹痛以外に吐き気、嘔吐、下痢、下血が見られます。進行すると腸管の梗塞や穿孔をきたします。

 

多発性単神経炎は最も高頻度に見られる臓器症状です(65%)。初期には感覚障害が出現し、進行すると運動障害を併発します。脳血管障害(脳出血、脳梗塞)は10〜20%で見られます。

 

明らかな心筋梗塞は少ないですが、冠動脈の狭窄や閉塞により心筋の虚血が起きることがあります。うっ血性心不全は冠動脈の血管炎々、腎疾患によるコントロール不良の高血圧により発症します。

 

皮膚病変は50%に見られ、網状皮斑、皮膚潰瘍、水疱、皮下゙結節が主病変です。皮膚潰塲が重症化すると指趾末端の梗塞や壊疽を生じます。

 

関節痛および筋痛は50%に見られます。明らかな関節炎が合併する場合もありますが、関節リウマチのように関節破壊や変形をきたすことは稀です。

 

 

結節性多発動脈炎の検査と診断

血液検査においては、結節性多発動脈炎の診断の決め手となるようなマーカーはありません。高度の炎症性病態を反映して、炎症反応の検査が陽性となります。

 

これにはC反応性蛋白(CRP)陽性、赤沈亢進、貧血、白血球増多、好酸球増多、血小板増多などが含まれますが、これらは他の炎症疾患でも異常をきたすため、非特異的炎症反応と呼ばれます。

 

貧血は炎症が持続した時に見られ、炎症性貧血と呼ばれます。血清蛋白分画では低アルブミン血症、ポリクローナルな高カンマグロブリン血症をきたします。筋肉に分布する血管に炎症が及ぶと、クレアチニンキナーゼ(CK)などの筋肉由来の酵素の値が増加します。

 

顕微鏡的多発血管炎と異なり糸球体腎炎を起こさないので、蛋白尿や血尿をきたすことは稀です。結節性多発動脈炎に特徴的な自己抗体はありません。顕微鏡的多発血管炎と異なり抗好中球細胞質抗体は陰性です。

 

結節性多発動脈炎の確定診断および病期判定には組織の生検が必要です。皮膚(皮下結節、紫斑)、筋肉、朧朧神経、腎、時に肺、消化管など症状の出た臓器が対象となります。そこに壊死性血管炎の所見(フィブリノイド壊死、弾性板断裂、炎症細胞浸潤)を認めます。

 

 

腹部の血管造影も診断に有用です。腹部大動脈の分枝、特に腸閧膜動脈、腎動脈、肝動脈やその分枝に、内腔狭窄、不整、途絶や、小豆大の多発性小動脈瘤を認めます。

 

結節性多発動脈炎の診断は厚生省で作成された診断基準に基づいて行われます。「症状」の項でも述べた主要症候の2項目以上と、組織所見または血管造影所見の異常が認められれば診断が確定します。

 

鑑別診断として垂要なのは、他の血管炎、特に顕微鏡的多発血管炎、アレルギー性肉芽腫性血管炎、および、ウェゲナー肉芽腫症です。

 

治療法の選択や予後の予測のために、結節性多発動脈炎の重症度分類が厚生省で作成されています。特定疾患の継続申請の認定に際して参考とされることがあります。

 

 

結節性多発動脈炎の治療

各病期で治療方針が異なります。急性炎症期の治療は副腎皮質ステロイド薬と免疫抑制薬の併用療法です。初期治療として、プレドニソロン1mg/kg/日およびシクロホスファミド1〜2mg/kg/日の経口投与を行ないます。

 

重症の腎病変や中枢神経病変を持つ患者さんではパルス療法を併用します。症状により血漿交換療法が併用されます。シクロホスファミドの経口療法の代わ引こ大量間欠静注療法が用いられることもあります。

 

シクロホスファミドの投与量は末梢面白血球数をモニターして調整されます。初期冶療を3〜4週間継続した後、臨床症状、炎症反応(CRPや赤沈匸臓器障害の改善などを評価しながらステロイド投与量をゆっくりと減らし、その後、維持量のステロイド薬を続けます。

 

 

免疫抑制薬の併用により再発が有意に抑えられます。主としてシクロホスファミドが用いられますが、それが使用できない時はアザチオプリンが用いられます。

 

肉芽期・瘢痕期には閉塞性血管捏状に対ずる治療が主体となります。抗凝固療法としてヘパリンまたはワーファリン、抗血小板薬として千クロビジンヤジピリダモールが投与されます。

 

ただし病理学的には急性炎症期病変と肉芽期・瘢痕期病変とが混在する二とが多く、前述した急性期の冶療と同時並行的に行なわれます。高血圧を伴う場合はその管理をします。腎不全例では血液透析が考慮されます。

 

 

結節性多発動脈炎の日常生活の注意点

治療が成功して症状が改善したあとに結節性多発動脈炎の再発予防のために維持量のステロイド薬(および免疫抑制薬)を長期に続ける必要があります。

 

さらに外来通院により注意深く症状の再発を管理するとともに、いわゆる増悪因子を避ける注意が必要です。増悪因子には、感染、過労、維持ステロイド薬の中断などがあります。

 

腎機能低下や高血圧を伴う例では食事療法も重要です。治療が適切に行われないと発症早期に死亡します。その主な死因は呼吸不全、腎不全、心不全、消化管出血です。

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