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多発性筋炎・皮膚筋炎とはどのような病気なのか

 

 

 

多発性筋炎・皮膚筋炎の特徴

多発性筋炎や皮膚筋炎は特発性(原因不明の)炎症性筋疾患の代表で、両方を併せると年間発病率は100万人当たり2〜5人と推測され、日本国内における患者数は5,000から10,000人と考えられています。発症年齢は5〜15歳に小さいピークと40〜60歳に大きいピークがあります。成人では1:2の割合で女性に多いですが、小児では男女差はありません。

 

 

原因は不明ですが、ウイルスなどの感染、悪性腫瘍、薬剤の影響、遺伝的要因などにより免疫異常(自己免疫)が誘発され、全身の骨格筋(横紋筋)に炎症がおこり、その結果筋肉組織が破壊され、筋力が低下します。筋肉の障害だけではなく、肺などの臓器障害を合併することもあります。また、皮膚筋炎では特徴的な皮膚症状を伴います。

 

 

5年生存率は90%以上ですが、治療により寛解できた患者さんでも、その3分の1で種々の程度の筋力低下が残ります。高齢者や悪性腫膓、あるいは重症の間質性肺炎を介併した患者さんでの予後は不良となることがあります。

 

残念ながら筋肉の萎縮や呼吸機能低下などの障害が残ってしまった患者さんでは、その障害に応じた生活様式を作ることが必要です。階段や和式トイレを改善したり、手すりをつけたりするなどの工夫も必要となります。

 

皮膚筋炎・多発性筋炎は、早期の治療がうまくいき、じっくりと時間をかけて治せば、病気から解放される可能性がある病気です。

 

しかしながら、再発や合併症の危険性は残っているので、ご自分の体調にあった生活のペースを守ることが重要です。

 

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多発性筋炎・皮膚筋炎の症状

筋症状

筋肉痛や筋力低下などの筋症状は、最も多い症状で、上腕や肩、大腿や腰などの大きい筋肉(躯幹筋)が障害されることが多く、指や手などの筋肉(末梢の筋)はあまり障害されないことが特徴です。

 

重いものが持ち上げられないとか、しゃがみ立ちや階段の上り下りが困難になりますが、字を書くなどの細かい作業は障害されません。症状の発現は徐々に起こり、急激に出現することは稀です。数週間から数カ月かけて徐々に進行し多くは左右対称性です。

 

進行すると、歩行困難や寝たきりとなり、さらに重症の例では咽頭の筋肉が障害され、ものを飲み込むのが難しくなったりすることもあります。

 

筋痛は半数の患者さんに出現し、つかまれた時(把握痛)や力を入れた時(運動時痛)に痛むことが多いです。炎症が長引くと筋肉がやせ(筋萎縮)、体重も減ってきます。

 

皮膚症状

皮膚筋炎では、浮腫と紅斑を基本とする様々な皮疹(発疹)が見られます。まぶたや眼の周囲の紫紅色の皮疹(ヘリオトロープ疹)や、手指背面の紅斑(ゴットロン徴候)が特徴的ですが、襟元の紅斑(Vネックサイン)や爪周囲の紅斑などもあります。

 

日光過敏症のある患者さんも多く、日焼けが引き金で紅斑が出現することもあります。レイノー現象もかなりの患者さんにある症状で、冬には指先などに小さい潰瘍ができる方も多く、手や指があれたようになる(機械工の手といわれる)患者さんもあります。

 

筋症状をほとんど認めない皮膚筋炎の患者さんもあります。皮膚筋炎では皮膚症状が先行すると、初期には筋肉の症状には気付かれない方も多くおられます。

 

呼吸器症状や心症状

呼吸器障害(間質性肺炎など)は軽症も含めると半数の患者さんにあり、空咳(痰はでない咳)や労作時呼吸困難(動いたり階段を上がると息切れがする)などが初期の自覚症状です。

 

間質性肺炎は細菌感染による肺炎などとは異なり、高熱や喀痰はあまり認めず、他人にうつることもありません。心臓の筋肉にも炎症が起こり、不整脈や軽度の心筋障害をおこされる場合がありますが、心不全など重症の心機能障害に至る症例はごく稀です。

 

全身症状

発熱、疲れやすい、全身倦怠感、食欲不振、体重減少なども病気の初期には結構多い症状です。発熱は微熱程度が多く、あまり高熱は出ません。関節痛を訴えられる患者さんも多いですが、関節リウマチのように慢性の関節炎や変形を伴う場合は稀です。

 

 

多発性筋炎・皮膚筋炎の検査と診断

検査所見

筋細胞が破壊されるため、筋細胞に含まれていた物質が血中に出てきて増加します。その代表が筋原性酵素と呼ばれるもので、CK(CPK)やアルドラーゼが代表ですが、これ以外にもGOT(AST)、GPT(ALT)、LDH、ミオグロブリンなどが増加します。 GOT、GPT、LDHなどは肝臓や心臓にも含まれるため、初期には心筋梗塞や肝臓病と間違われることもあります。

 

 

CRPや赤沈は、急性型の筋炎や間診壯肺炎の合併例ではしばしば増加します。抗核抗体は細胞の核成分に対する自己抗体で、60%の患者さんで陽性です。疾患特異的抗核抗体として抗Jo-1抗体が有用ですが、陽性率が30%程度と低いのが難点です。

 

筋原性酵素の上昇など筋肉の破壊が推察されれば、筋電図検査や筋肉のMRI検査などを行います。筋炎の可能性が高ければ、筋生検(筋肉を少し取り顕微鏡で調べる検査)を行い診断確定します。

 

臓器障害や合併症の検査

間質性肺炎の有無はレントゲン検査やCT検査で調べ、呼吸機能検査や動脈血ガス検査を行い、充分に酸素を取り込めているかどうかをチェックします。心筋の障害を認める方もあり、心電図や心エコーなどの検査も必要です。

 

高齢者では悪性腫瘍の合併が結構あります。悪性腫瘍は筋炎の発症時に合併することもあり、発症後に出現することもあります。腫瘍マーカー、消化管内視鏡や腹部エコー、前立腺の検査やガリウムシンチなどを調べ、女性では乳癌や子宮癌の検診も行います。

 

診断

診断は診断基準に合わせて行います。筋肉が壊される病気には皮膚筋炎や多発性筋炎以外にも、薬剤性横紋筋融解症やウイルス感染などによる筋炎、封入体性筋炎などがあります。

 

他にも筋ジストロフィー、重症筋無力症、甲状腺機能低下症、サルコイドーシス、あるいは他の膠原病と鑑別する必要があります。診断基準を満たしていても、これらの疾患と鑑別することが重要であり、それぞれの検査を追加することもあります。

 

 

多発性筋炎・皮膚筋炎の治療

皮膚筋炎・多発性筋炎の治療は、ステロイド薬などによる炎症と自己免疫の沈静化、維持期のリハビリテーション(理学療法)、そして長期ステロイド投与に伴う副作用の予防からなります。

 

合併症がある場合はその治療が優先される場合があります。悪性腫瘍の合併がある場合はその切除などを優先します。重症間質性肺炎などを合併している場合は、ステロイド大量療法に加えて、免疫抑制剤を併用することもあります、

 

ステロイド療法

筋肉の炎症を防ぎ筋組織の破壊を止めるためには、その基にある免疫の異常を是正する必要があり、「免疫抑制療法」が行われます。

 

初期投与としてプレドニン8〜12錠(体重1.kgあたり1mg)を1カ月続け、筋炎が沈静化したのち、2週間ごとに10%ずつ減らしていきます。

 

筋力の著しい低下や呼吸筋・嚥下筋の障害を認める患者さんには、即効性を期待してステロイドパルス療法を行うこともあります。ステロイド減量中に筋炎が再燃した場合は、減量前よりも多め(1.5〜2倍)のステロイド量に戻します。

 

ステロイドの効果が不十分の場合

3割程度の患者さんでは、ステロイドが効きにくい、あるいは減量が困難です。ステロイドの増量やステロイドパルス療法が有効なこともありますが、免疫抑制薬(エンドキサン、イムラン、メトトレキサート)を併用したり、最近では移植に使うシクロスポリンク静注グロブジンの大量療法も行ったりします。

 

理学療法(リハビリテーション)

理学療法は低下した筋肉の回復や日常生活への復帰を目標とします。病気の急性期には安静を保ちますが、病気が落ち着くと適度の運動が必要です。

 

理学療法の方法や内容は患者さんにより様々ですので、必ず主治医や理学療法士と相談して下さい。ステロイド大量投与中は副作用で逆に筋力が低下し、リハビリの効果が上がりにくいこともあります。

 

あせって無理をすると関節を痛めたり、ころんで怪我をしたりすることもありますので、主治医と相談しながら徐々にその量を増やして行くことが大切です。一般に翌日こ疲れや筋肉痛が残るようならやりすぎですので、量や時間を減らして下さい。

 

 

多発性筋炎・皮膚筋炎の日常生活の注意点

基礎療法とは患者さんが自ら行う治療法で、@医学的に正しい知識を持つこと、A病気に負けず前向きな気持ちをもつこと、B体の安静と適度の運動を行うこと、C栄養や保混など日常生活上での注意などです。
皮膚や筋炎の症状がとれ筋力が回復してくると、ここから日常生活での注意が必要となります。過労、感染、ストレス、寒冷、紫外線(皮膚筋炎の患者さん)などが病気を悪化させ再発させる誘因になるので注意が必要です。

 

栄養や食事も大変重要で、筋肉の回復を促進するため高タンパクの食事をバランスよくとることが必要です。しかしながら、肥満は筋肉や関節に負担をかけるのでいけません。

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